< 新 聞 再 録 >


01/20/03 『経済の伝書鳩』

01/01/03 『経済の伝書鳩』


網走の乗馬体験牧場「NO NAME RANCH(ノーネームランチ)」のインストラクター戸嶋雄宏さん(29)が、手綱さばきと馬の演技を競う、レーニング競技会グリーンクラスの年間チャンピオンとなった。

昨年開かれた四つの大会すべてで優勝し、初めての本格参戦での快挙。戸嶋さんは「信じられない結果」と喜んでいる

コディ号などの手綱を見事に操って
・・・網走の戸嶋雄宏さん4大会すべて優勝

全国レーニング競技会グリーンクラスで

▼戸嶋さんは秋田県出身で、同牧場には昨年五月から勤務している。帯広のインストラクター養成学校を卒業後、兵庫県の乗馬クラブでの勤務を経て、来網した。▼競技会は全日本ウェスタン協会の主催で、年四回開催される。昨年は三月の九州大会を皮切りに、十二月に兵庫県で開かれた「オールジャパン・ウエスタン・チャンピオンシップ」で締めくくつた。RENING(レーニング)とは「手綱を操る」との意味。競技種目はヨーロッパの馬術と異なり、アメリカ開拓時代のカウボーイが牛追いに使った技術を競う。▼縦四十b、横八十bの馬場で、速度を変えて外周を走ったり、急停止などの種目をこなす。馬がいかに冷静な状態で演技できるか、そして、馬の能力をいかに引き出せるかが審査される。▼戸嶋さんのエントリーしたグリーンクラスは、もっとも基本となる馬術が審査される。競技会には養成学校時代に一度だけ出場したことがあるが、本格参戦は初めて。▼同クラスには、国内トップレベルの五十人ほどが出場し腕を競う。一人三頭まで乗ることができ、このうちの最高得点が順位を決める。 十月の「アマハカップ」からは、同牧場で飼育している五歳の種馬「ガロ・ゴールド・コディ」号と参戦。コディ号のデビュー戦であったが、「落ち着いて演技してくれた」(戸嶋さん)おかげで同大会でもチャンピオンになった。▼昨シーズン最後の大会となった「チャンピオンシップ」でも、戸嶋さんとコデイ号は無難に演技をこなし、四大会すべてで優勝する「グランドスラム」を成し遂げた。▼戸嶋さんは「ノー・ネーム・ランチの理解がないと大会にも出場できなかった」と周囲の協力に感謝する。今年は上から二番日のクラスに格上げされることが決まっているが、「レベルの高いクラスで経験をつみ、さらに成長したい」と張り切っている。


注目される網走の体験型観光

海山湖を抱える“地の利”を生かして

「馬にまたがる」のではなく「馬を操る」スタイルが人気

▼国内においての観光形態か変化している。これまでの「団体」型から、「家族」「個人」型へと移行しつつある。″観光のまち・網走″も例外ではなく、関係者は知恵を絞り、その対応に力を注ぐ。湖、海、山、川を抱える網走。この恵まれた自然を武器にした、体験型観光か注自され始めている。乗馬やダイビングなど、その形態はさまざまだか、「網走のよさをPRしたい」との思いは共通している。
 
▼オホーツク海沿岸を、数頭の馬が駆け抜ける。海岸沿いにあるドライブインに立ち寄った観光客らは、この姿に目を奪われ、歓声を上げる−。こんな光景が、網走で度々見ることができる。▼「ホーストレッキング」。この言葉を一般市民も耳にするようになったのは、最近のことである。いわゆる「乗馬」だが、網走の場合、観光地でよく見かける乗馬とは一味違う。▼十五年ほど前から、乗馬を観光メニューとして取り入れた「NO NAME RANCH(ノー ネーム ランチ」。名前のない牧場−との意味らしい。▼網走から東藻琴村(ひがしもことむら)へ向う途中の、藻琴地区にある。▼代表の福井政義さん(55)。二十年はど前、「やせるために」と始めた乗馬だが、その奥深さに魅了された。そして、仲間を募り、「ファーム アンド コンパニオン」を発足させた。「ノー ネームランチ」の前身である。▼当初、ボニー、道産子、サラブレッドなど、いろんな品種の馬を飼った。次第に個人的な趣味の域を超え、ホーストレッキングを観光メニューとして提供することを思い付く。 「ホーストレッキングは人の命を預かる仕事。だからこそ、調教は完全でなければならない」。福井さんのこだわりは、相当なものだ。▼現在伺っているのは、すべてクォーターホースという品種の馬だ。頭がよく、おとなしい性格の馬で、これだけの頭数を飼っているのは国内で珍しいという。▼よく、「馬の後ろを歩く時は気を付けて」という。しかし、ここの馬は「腹の下に入ろうが、後ろに立とうが平気ですよ」と福井さんは笑う。それだけ、調教には絶対の自信を持っている。▼一昔前の利用者は、年間数人しかいなかった。昨年は百人以上が、「ノー ネーム ランチ」の馬にまたがり、網走の自然を満喫した。▼ほとんどが道外の人、リピーターである。「馬にまたがる」のではなく、「馬を操る」スタイルが人気を呼んだ。▼「心底感動してもらい、そしてもう一度網走に行こうと思ってもらう。その場、その時だけの付き合いでなく、将来に結びつけられることが、真の体験型観光の姿だと思う」。福井さんの一貫した思いが、ようやく実を結ぼうとしている。




『経済の伝書鳩』は北見市に本社を置くフリーペーパー(網走市・北見市・端野町・美幌町・津別町・女満別町・留辺蕊町・訓子府町・温根湯町・置戸町約8万1千戸に月曜日から土曜日まで毎日無料配布される新聞)です。私たちの地域に根ざした情報を伝播する強力な地元情報紙です。